抄録
イチゴ果実に損傷が生じにくいハンドリングや包装技術の開発に資することを目的として, 果実の硬さ特性, 果実へ作用する荷重と品質低下の関係を明らかにした。2005年12月から翌年5月のイチゴの収穫時期に渡り, 品種‘とちおとめ’を供試して, 果実の硬さを着色度, 部位ごとに測定した結果, 8分着色, 完全着色の果実では, 果頂部と赤道部の硬さはほぼ同程度であった。荷重と品質低下の関係では, 果頂部においては, 荷重で生じた変位量がわずか0.2mm程度であっても, 果実の色変化に影響を与えることが明らかになった。また, 作用する荷重が大きくなるに従い, 果実の色変化も大きくなる傾向が見られた。さらに, 一時的に作用する荷重であっても, その後の果実の品質変化に影響を与えることを確認した。