本報は作溝チゼル付き施肥溝切り機による植え溝底土壌の膨軟化や側条施肥位置がネギの生育・収量に与える影響を検証した。生育初期の草丈,分岐長,一本重,窒素吸収量は,両側側条施肥区が他区より良好であった。片側側条施肥区は作溝チゼルや施肥オープナが植え溝底を膨軟化するため,生育量が減少する傾向にあった。作溝チゼル付き両側側条施肥区は生育が良好に推移し,他区と比較して商品収量が3.2~15.3%増加し,軟白長が1.2~3.8%,Lサイズ以上が3.9~12.7ポイント高くなるなど良品出荷量が増加した。作溝チゼル付き施肥溝切り機を用いたネギ栽培では植え溝底を膨軟化し,定植苗の両側に側条施肥することが有効である。