トラクタ搭載型土壌分析システムを用いた多変量回帰モデル(MRM)推定と土壌マップは,化学性と生物性(有機物含有量)の12項目が報告された。本研究の目的は,交換性加里と乾燥密度を含む25項目のMRM推定と既往研究との比較および土壌マッピングである。
MRM推定には,334データを用いて2次微分前処理とPLS回帰分析(Full Cross Validation)を適用した。25項目のMRM精度は,決定係数(R2Val)が0.82~0.90,Residual Prediction Deviation(RPDVal)は2.35~3.25を得た。肥料三要素と生物性および物理性を含む25項目の高精細な土壌マップを示し,土壌管理情報としての付加価値を高めた。