1982 年 11 巻 6 号 p. 1167-1170
親水-疎水型のミクロドメイン構造を有するブロックコポリマーは血小板の活性化を著しく抑制することを, 粘着血小板の形態, 内部構造, ATP放出能の測定から明らかにした。とくにこのような効果について, ミクロドメインのモルホロジー, サイズおよび化学構造の影響について検討した。これより300~500Aオーダーのラメラ状のミクロドメインを有するHEMA-St-HEMAブロックコポリマーは血小板の活性化を抑制して優れた抗血栓性を示した。このことはin vivoにおいて内径1.5mmのチューブをA-Vシャントとして用いた場合にもきわめて良好な抗血栓性を示すことによっても確められた。
以上の結果から血小板活性化抑制表面の分子設計法に関して議論した。