悪性腫瘍に対する治療として免疫抑制物質を除くだけでなく、不足物の補充も兼ねた血漿交換(PE)を晩期癌患者15例に行った。効果としてはPerformance statusの改善は確かで、かつ速かに起つた。in vitroにて二重口過血漿分離(DFPP)の2次膜を免疫抑制活性の処理液間の差で検討した。今までアルブミン以上の分子量域の分離にて明瞭な差がなかつたので今回EVAL-C膜にて行ったところ症例によつて中小分子域にも抑制物質の存在する事が判明し症例により除去する液が変ることになつた。またLPSを固定化した繊維により家兎Vx2腫瘍に対しDHP法による治療実験を行った。1回のDHP処置だけでも抗腫瘍効果は確認できたが、BCG感染処置を施行すると腫瘍縮少消失はより早く、顕著に認められた。今後晩期癌患者の治療にはPE、DFPPによりPerfomance statusを改善した後、LPS-Fによる免疫賦活療法や他の療法を追加し集学的療法とするのが良いと考える。