人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
遠心ポンプにおける溶血
橋本 成広浅利 秀男松山 徳大石原 昭馬渕 清資鈴木 博子平井 法博武山 誠樹杉浦 庸介笹田 直
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 14 巻 3 号 p. 1112-1115

詳細
抄録
遠心ポンプにおける溶血の原因として, 血流の中で赤血球に与えられる機械的な変形を考え, 血流の速度勾配と溶血率進行速度との関係を明らかにするために, 動物実験およびin vitroにおける実験を行った. まず試作した遠心ポンプを体重15~28kgの雑種成犬に接続して, 右心バイパス3例, 両心バイパス5例を実施した. その結果, 羽根車の回転速度が大きいときに溶血率進行速度も大きくなる傾向がみられたので, 遠心ポンプを閉鎖循環回路に組み込んで実験を行った. その結果, 試作したポンプでは, 羽根車の回転速度が2100rpmを超えるときに溶血率進行速度が大きくなることがわかった. さらee血液全体に一定の速度勾配が与えられるコーン・カップ型試験機を作製して実験を行った. その結果, 速度勾配を2×102see-1以下に抑えれば, 4.5時間イヌの全血液ee速度勾配を与え続けても, 溶血率進行速度は10-3hour-1以下になることがわかった.
著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top