人工臓器
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血液接触前後における透析膜構造変化のRIを用いた検討
大橋 英彦三村 理七小沢 喜久夫竹沢 真吾酒井 清孝
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1986 年 15 巻 3 号 p. 1350-1353

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抄録
ダイアライザーは血液透析に使用されることによって、その性能が低下する。これは血液中の物質(タンパク質等)が膜面上に付着あるいは吸着することにより、膜の目詰り、膜孔の狭窄が起こり、膜構造が変化するためと考えられる。本研究では、血液接融前後の膜構造の変化を定量化し、そのメカニズムを検討した。程度に差異はあるものの、いずれのダイアライザーにおいても純水濾過係数Lpは低下した。再生セルロース系のダイアライザーは低下率が小さい傾向が見られた。これは再生セルロース系の素材が血中溶質を吸着しにくいためと考える。また、放射性同位元素で標識した尿素を用いて血液接触前後の溶質透過係数pmを測定し、Tortuous Pore Modelによって各膜の孔半径rpおよび膜性能を示すパラメータ(AK/τΔX)を算出したので報告する。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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