人工臓器
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ハイブリッド型人工膵臓
岩田 博夫松田 武久雨宮 浩林 良輔高野 久輝阿久津 哲造
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1987 年 16 巻 3 号 p. 1263-1266

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抄録

ラ島を封入したマイクロビーズ作製用素材また封入方法の検討を行なった。さらにマイクロビーズに封入されたラ島のハイブリッド型人工膵臓としての機能評価を行なった。今回検討した素材は, 低温ゲル化アガロースと各種ポリイオンコンプレックス(PIC)である。マイクロビーズを形成している高分子膜の分画分子量の調節は, アガロースの場合には高濃度アガロース溶液を用いることにより, またPICの場合には, マイクロビーズ表面に緻密なPIC層を形成させることにより行った。マイクロビーズに封入されたラ島の長期培養を行なったところいずれも60日以上にわたってインスリンを分泌し続けた。またグルコース濃度変化に応答してインスリン分泌量を増減させ得ることを明らかにした。アガロースマイクロビーズに封入されたハムスターのラ島を糖尿病マウスに異種間移植したところ, 最長53日にわたって血糖値を正常化することができた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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