人工臓器
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セメントレス人工股関節の開発と展望
浜田 良機
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1987 年 16 巻 3 号 p. 1307-1311

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抄録

セメントレス人工関節の問題点の一つは骨新生による固定を待つため、術後長期の免荷を必要とすることである。これを解決する方法としては(1) 新素材の開発(2) 手術術式の改良(3) デザインの改善などがある。新素材の開発:アルミナセラミックス、ハイドロオキシアパタイト、酸化チタン、窒化チタンを金属にコーティングした素材で犬用人工股関節を作製し、その固定性を検索した。アルミナとハイドロオキシアパタイトコーティング例に100Kg以上の固定力をみた。手術術式の改良:コンピュータ・シミュレーションにより、人工臼の理想的な挿入状態は骨移植により臼蓋形成不全を補正して、開外角35度で人工臼と白底の間隙がないことがわかった。デザインの改善:スパイクが骨盤腔に極端に突出するのを防止するため変形性股関節症22例の寛骨白壁をX線学的に計測して3本のスパイクをやや外方に移動し、その内の2本を短くするようにデザインを改善した。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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