全身性エリテマトーデス(SLE)の血小板減少, 血栓症, 反復性流産, STSの生物学的偽陽性は, 原因として抗カルジオリピン抗体(抗CL抗体)の存在が考えられる。我々は病態の改善を期待して, 抗CL抗体の吸着除去について検討した。
我々は, 陰性電荷のリン脂質の構成単位について, 抗CL抗体との親和性を調べた。この結果, 陰性電荷のみでも吸着したため, 次に陰性電荷の化合物を固定した吸着剤を送り, 吸着能について検討した。その結果, デキストラン硫酸(DS), ポリアクリル酸などが高い吸着を示した。
DSは, LDL吸着としてすでに臨床応用されているので, これをSLE患者2例に使用した。この結果, 抗CL抗体, 抗DNS抗体が除去でき, 血小板も増加し, 蛋白尿の減少も認めた。
以上より, このDSは吸着剤として有用であり, 今後さらに改良して, 検討していくつもりである。