人工臓器
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A-V ECMOによるヤギ胎仔子宮外保育における酸索消費パターンの研究
海野 信也篠塚 憲男桑原 慶紀岡井 崇上妻 志郎水野 正彦桑名 克之
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1989 年 18 巻 2 号 p. 963-967

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抄録
A-V ECMOによる胎仔子宮外保育システムにおけるヤギ胎仔の酸素消費パターンについて検討した。胎仔の子宮外生存時間は体外循環血流量100ml/min/kg前後で最大となった。酸素供給量(OD)が10ml/min/kg未満では酸素消費量(OC)はODにほぼ比例し直線的に増加したが、10ml/min/kg以上ではほぼ一定で(6-7ml/min/kg)、ODが増加するとやや減少する傾向を示した。
REM期とnonREM期の間にはOCに差は認められなかった。OCの変動係数(CV)はREM期において大きい傾向にあり、その差は胎令の進行とともに著明になった。子宮外保育システム下のヤギ胎仔では酸素消費の軽度の抑制が認められ、それは、酸素供給の不足よりも、循環動態の変動と関連しており、胎仔の活動レベルにも影響を与えている可能性が示唆された。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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