僧帽弁位SJM弁11例について閉鎖音周波数スペクトルをfast Fourier transform (FFT)により検討した。閉鎖音は左第6肋間鎖骨中線で行い、1 KHz high pass filterを通過させた後、デジタル化しFFT処理を行なった。9例で2葉の閉鎖音は分離して記録されたが、そのPower spectrum curveは1 KHzにピークを有し5~7KHzまで徐々に減衰しプラトーとなった。術後8年4ケ月の1例で2.5KHz付近に、術後4年6ケ月の1例で1.5KHz付近にdipを認めた。これらは大動脈、肺動脈弁位sJM弁閉鎖音の特徴と類似しており、僧帽弁位においても同一手法で血栓弁を早期発見できる可能性があると考えられた。