左心補助人工心臓(LVAD)を臨床応用した10例のうち、離脱に成功した6例について至適離脱条件の検討を行った。対象症例は心室中隔穿孔4例、左心室瘤2例で、LVAD駆動時間は45~329時間、平均111.7時間であった。LVAD離脱試験はon-off法で行い、LVAD off 5分後(IABPのみ駆動)に血行動態の測定を行った。この試験によりLVADからの離脱が可能と判断したものをA群、不可能と判断したものをB群とした。離脱試験は6例に対し計23回施行した。A群は12回で、1例を除き:LVAD off時の血行動態はPWP≤18mmHg、CI≥2.8l/min/m2、LVSWI≧27g・m/m2であった。B群は11回で、すべてCI≥2.8l/min/m2かっLVSWI<27g・m/m2であった。LVADの至適離脱条件はon-off法による離脱試験において、LVAD off時PWP≤18mmHg、CI≤2.8l/min/m2、LVSWI≥27g・m/m2と考えられた。