人工臓器
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補助人工心臓の至適離脱条件に関する検討
丹治 雅博岩谷 文夫猪狩 次雄阿部 俊文萩原 賢一佐戸川 弘之渡辺 正明緑川 博文佐藤 洋一星野 俊一
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1990 年 19 巻 1 号 p. 42-44

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抄録

左心補助人工心臓(LVAD)を臨床応用した10例のうち、離脱に成功した6例について至適離脱条件の検討を行った。対象症例は心室中隔穿孔4例、左心室瘤2例で、LVAD駆動時間は45~329時間、平均111.7時間であった。LVAD離脱試験はon-off法で行い、LVAD off 5分後(IABPのみ駆動)に血行動態の測定を行った。この試験によりLVADからの離脱が可能と判断したものをA群、不可能と判断したものをB群とした。離脱試験は6例に対し計23回施行した。A群は12回で、1例を除き:LVAD off時の血行動態はPWP≤18mmHg、CI≥2.8l/min/m2、LVSWI≧27g・m/m2であった。B群は11回で、すべてCI≥2.8l/min/m2かっLVSWI<27g・m/m2であった。LVADの至適離脱条件はon-off法による離脱試験において、LVAD off時PWP≤18mmHg、CI≤2.8l/min/m2、LVSWI≥27g・m/m2と考えられた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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