人工臓器
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胸腔内植込み補助循環装置の開発
猪狩 次雄岩谷 文夫阿部 俊文萩原 賢一丹治 雅博佐戸川 弘之渡辺 正明緑川 博文佐藤 洋一星野 俊一湯浅 貞雄
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1990 年 19 巻 1 号 p. 7-9

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抄録

セグメント化ポリウレタン製の補助循環装置, トーマス型30ccモデル(TB-30)を胸腔内植込み用とし, 模擬回路にて試験した。空気駆動圧装置はアブコ社製PBPモデル20を用いた。機能試験では, 駆動圧200mmHg, 駆動回数100bpmで拍出量は2.8l/分台で, 200mmHg以上としても拍出量は増加しなかった。駆動回数50~125bpm間では直線的な拍出量の増加を示した。耐久性試験は4週間, 模擬回路で行なった。急性実験は雑種成犬10頭にて行なった。左房一上行大動脈間で左心補助を行い, 当然のことながら, 良好な補助効果が得られた。既報の如く, 右側胸腔第6肋間位に補助装置を位置せしめることを, 屍体を用いたfit trialから考えているが, 装置よりも, 送・脱血のカニューレのデザインに改良点がある。また, 胸腔内に置いた場合, 駆動膜を直視出来ないので, それに代る駆動の指標が確立されなければならないと考えている。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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