人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
Screw lock systemによるCAPDの操作性および安全性にかんする臨床的評価
中尾 俊之山本 裕康栗山 哲友成 治夫松本 博
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 22 巻 1 号 p. 124-128

詳細
抄録

Screwl ock CAPD systemバッグフリータイプの実験モデルを作り, 接続チューブコネクター先端部に細菌を103個付着させたが, 透析液注入前洗浄操作後や保護キャップ装着後の同部の培養では菌の発育を認めなかった。臨床的には, 93%の医療スタッフが本システムが従来のスパイクシステムより簡便性が高いとし, 細菌汚染に対する安全性はUVシステムと同等とした。患者16名がバッグ交換手技を習得するまでの日数は3.2±1.1日であつたが, 他のシステムの習得困難と思われた5名の患者も9.2±4.3日で本システムを習得できた。腹膜炎発生率は1回/39.7患者・月であり, 同時期に行った他のシステムに比べ低かった。
Screw lock systemによるCAPDは, 簡便に確実な操作ができる特徴をもち, 従来の方式では習得困難な患者にも比較的容易に適応できるため, 有用性が高いと考えられた。

著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top