人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
免疫複合体疾患におけるEDA(+)フィブロネクチンの変動とCryofiltrationによる除去効果
米川 元樹今裕 史高橋 昌宏小野 寺一彦目黒 順一久木 田和丘川村 明夫駒井 喬松田 道生関口 清俊平野 尚伸坂下 栄治
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 22 巻 1 号 p. 220-225

詳細
抄録

Cryofiltrationを施行している慢性関節リウマチ(RA)4例、強直性脊椎炎1例、SLE2例、多発性筋炎1例を対象にCryogelおよび血漿中のフィブロネクチン(pFN)と細胞型FNの一つであるEDA(+)FNを測定し、Cryofiltrationによる除去効率を検討した。Cryogel中のFbg量は血漿中濃度の2.59dl分に相当したが、EDA(+)FNは51.33dl分に達した。これらの症例では血漿中pFNは異常高値を示さないが、EDA(+)FN値およびEDA(+)FN/pFNは高い症例が多く、特にRA症例では痔痛の増強に伴って上昇し、Cryofiltrationによる症状改善に伴って下降した。したがって血漿EDA(+)FNおよびEDA(+)FN/pFNはプラスマフェレーシス治療の適応決定や効果判定の指標として有用であると考えられた。またEDA(+)FNの血漿減少率は低いものの多量に除去され、Reduction Indexは2.5~3.0Lと高かった。これはCryofiltration施行中、pFNは単調に減少するものの、EDA(+)FNは血漿以外の組織から血中に移行して、血漿濃度が一時的に上昇するためと考えられた。

著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top