1993 年 22 巻 1 号 p. 220-225
Cryofiltrationを施行している慢性関節リウマチ(RA)4例、強直性脊椎炎1例、SLE2例、多発性筋炎1例を対象にCryogelおよび血漿中のフィブロネクチン(pFN)と細胞型FNの一つであるEDA(+)FNを測定し、Cryofiltrationによる除去効率を検討した。Cryogel中のFbg量は血漿中濃度の2.59dl分に相当したが、EDA(+)FNは51.33dl分に達した。これらの症例では血漿中pFNは異常高値を示さないが、EDA(+)FN値およびEDA(+)FN/pFNは高い症例が多く、特にRA症例では痔痛の増強に伴って上昇し、Cryofiltrationによる症状改善に伴って下降した。したがって血漿EDA(+)FNおよびEDA(+)FN/pFNはプラスマフェレーシス治療の適応決定や効果判定の指標として有用であると考えられた。またEDA(+)FNの血漿減少率は低いものの多量に除去され、Reduction Indexは2.5~3.0Lと高かった。これはCryofiltration施行中、pFNは単調に減少するものの、EDA(+)FNは血漿以外の組織から血中に移行して、血漿濃度が一時的に上昇するためと考えられた。