人工臓器
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ボロン酸基を有するIPNゲルのグルコース応答性インスリン放出デバイスへの応用
脇一 徳小山 義之片岡 一則横山 昌幸岡野 光夫桜井 靖久
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1993 年 22 巻 2 号 p. 274-279

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抄録

ボロン酸基を有するポリマーとポリビニルアルコール(PVA)からなる相互侵入高分子網目(IPN)ゲル及びセミIPNゲルを作製し、グルコース濃度に対する応答性およびFITCーインスリンの透過を調べ、インスリン放出デバイスへの応用の可能性について検討した。グルコース濃度に対する膨潤変化、pH変化の影響などを調べた結果、ボロン酸基を有するポリマー鎖とPVA鎖との結合がグルコースの添加によって解離して膨潤することを確認した。グルコース濃度が高くなるほど膨潤度も高くなり、しかもグルコース濃度の段階的変化にもよく相応した膨潤/収縮挙動が確認され、応答性が良好なことが明らかとなった。さらに、透過セルを使ったFITCーインスリンの透過試験の結果から、グルコース存在下での透過量の顕著な上昇が認められ、ボロン酸基を用いた完全合成型インスリン放出デバイスの実現の可能性が示唆された。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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