1993 年 22 巻 3 号 p. 609-614
われわれは経皮的にアプローチ可能な補助循環装置を研究開発中である。本研究では2つの型のポンプを作成し、ポンプの性能を模擬循環回路により評価した。本補助循環装置は、血液ポンプ、カニューレ、駆動装置からなる。流入、流出弁として、4-5.6mmのJellyfish弁をカニューレの先端と先端から10cmの側壁に装着した。模擬循環回路により、2つの型のポンプの性能を評価し以下の様な結果を得た。前負荷10cmH2O、後負荷30cmH2OcmH2Oの条件で最大流量は0.58l/min(Type 1)、1.19l/min(Type 2)であった。次にType 2のポンプを使用し、後負荷を変化させることにより、最大流量の変化を検討した。結果は後負荷を0、20、40、60mmHgでそれぞれ最大流量は1.34、1.06、0.75、0.57l/minであり、いずれも拍動流を示した。結論として本システムは、経皮的アプローチが可能で、拍動流を発生する圧補助と流量補助が可能な補助循環装置であると考えられた。