1993 年 22 巻 3 号 p. 718-723
stunned myocardiumに対する左心補助人工心臓(LVAD)の治療的有効性を検討するために、従来われわれは、左心室圧―容量曲線(P-Vcurve)におけるVoが不変と仮定し、Emaxの変化より評価検討を行なってきた。しかし、循環動態の変化に伴いVoが変化する可能性があり、その変化に対する検討が必要と考えられた。そこで今回―過性心筋虚血モデルを作成し、counter-pulsation modeでの補助下で急性左心バイパス実験を行なった。3つの異なった状態において、VoおよびEmaxを実際に求め、検討を加えた。その結果Voの変化はわずかであり、Emaxの変化に比べて軽度であった。したがって、Emaxの経時的変化を捉えるうえで、Voの変化は特に問題とならない程度であり、連続的な心機能の評価法として、本法は有用と考えられた。