1993 年 22 巻 3 号 p. 803-806
僧帽弁位に装着したCarboMedics弁(CM弁)の弁機能に関し、経食道エコー検査(TEE)により評価を試みた。当科でCM弁を用いて僧帽弁置換術を施行した6例を対象とした。11~25ヵ月の追跡期間の間に、いずれの症例も人工弁に由来する合併症は認めず、臨床的には弁機能に問題を認めなかった。術後に施行した経胸壁エコー検査では、Pressure Half Timeは、60~80msec(平均77.5±15.2msec)であった。TEEでは逆流ジェットを、弁輪内で全例に、弁輪中央部で5例に、弁輪内周辺部で4例に、弁輪より外側で2例にそれぞれ認めた。逆流ジェットの弁輪部からの最大到達距離は2.1~3.3cm、逆流ジェットの面積は0.8~2.9cm`であった。CM弁の弁機能評価にTEEは有用であることが推察された。