1994 年 23 巻 3 号 p. 740-747
in vivo, in vitroで優れた抗血栓性を有するHEHA-Stブロック共重合体表面における血小板微小管(MT)の脱重合の抑制能を評価するために、PSt表面、HEMA-Stランダム共重合体表面を対照群として、コルヒチン(CH)添加血小板の材料表面に対する接触及び3時間粘着血小板の超微形態を走査型及び透過型電子顕微鏡を用いて解析した。さらに、接触血小板の凹凸の度合いは高解像度画像処理解析装置にて定量評価した。CH添加血小板と材料表面との相互作用はマイクロスフィアカラム法を用いて行った。本研究とintact血小板を用いた既報の結果から、ブロック共重合体表面はPSt表面、ランダム共重合体表面に比べて血小板MTの脱重合を抑制するのみならず、血小板のアクチン重合及びアクトミオシン収縮を抑制することが示唆された。