人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
大腿・膝窩動脈(膝上部)バイパス術の手術成績
―Sauvageグラフトと自家静脈グラフトの比較―
大庭 聡小須賀 健一浦口 憲一郎山名 一有大石 喜六
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 23 巻 3 号 p. 791-794

詳細
抄録

1986年より1992年までに、Externally supported knitted Dacron(以下EXS)と自家大伏在静脈(以下ASV)を用いて末梢側吻合部位を膝上部(above-knee)に置いた大腿・膝窩動脈バイパス術(AK-FPB)施行した28例37肢を対象とした。両群の性・年齢・重症度・基礎疾患・手術危険因子に差を認めなかった。術後療法としてEXS群とASV群の症例にワープアリン(100%, 33%), 抗血小板剤(89%,90%)を各々投与した。EXS群7例9肢の累積開存率(年次グラフト数)は、1年88.9%(8), 2年88.9%(8), 3年88.9%(4),4年88.9%(2)であった。これに対してASV群21例28肢の累積開存率は、1年89.1%(26), 2年85.3%(25), 3年85.3%(23), 4年80.8%(19)であった。
AK-FPBの材料として、EXSはASVと比較し開存率に差が無く、有用性が示唆された。

著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top