人工臓器
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電気駆動式Novacor型人工心臓の植え込み実験の経験と考察
八田 光弘北村 昌也秋本 剛秀西中 知博前田 朋大遠藤 真弘橋本 明政小柳 仁
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1995 年 24 巻 2 号 p. 368-371

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抄録

今回我々は、電気駆動式Novacor型人工心臓の植え込み実験を行い、手技上の考察点について報告する。羊2頭(体重70kg)を用いて、全身麻酔下に挿管後、右側臥位とし、胸骨第4肋間を開胸した。下行大動脈に送血側のグラフト吻合を行い、本体を腹壁内に位置させ、胸腔内にグラフトを誘導した。Inflow cannula挿入は心尖部に挿入し、人工心臓を駆動させた。実験1では、術後順調に作動し、抜管可能であった実験2では、術後右心不全に対して強力なカテコラミン投与を必要とし、術後駆動はfill rate trigger modeにて行った。以上により、実験手技的に留意する点は、1)横隔膜通過する脱血、送血グラフトの屈曲防止、2)左室心筋切除の際は大きく切除し、脱血カニューラの挿入を容易にする。3)グラフト内血栓の予防、4)円滑な空気除去、などが挙げられた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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