1995 年 24 巻 2 号 p. 427-429
1985年以降に施行した機i械弁による大動脈弁(A弁)・僧帽弁(M弁)二弁置換術の中期遠隔成績を検討した。対象はA弁にOmnicarbon弁、M弁にDuromedics弁を使用した0群27例、両弁ともSJM弁を使用したS群32例、両弁ともCarboMedics弁を使用したC群21例であった。累積追跡期間はO群144患者・年、S群70患者・年、C群50患者・年であった。実測生存率はO群が術後9年で81±8%、S群が術後6年で87±8%、C群は術後4年で79±10%であった。またAll valve-related morbidity and mortalityの非発生率はO群が術後9年で58±18%、S群が術後6年で80±13%、C群が術後4年で47±15%で、三群間に有意差はなかったが、C群で低い傾向がみられた。以上よりOmnicarbon弁(A弁)+Duromedics弁(M弁)、両弁ともSJM弁の組み合わせの中期遠隔成績は良好であったが、CarboMedics弁を用いた組み合わせは、その評価に更なる観察が必要と考えられた。