人工臓器
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心筋電極の耐用率および閾値について
―経静脈電極との比較検討―
柵木 隆志有木 弘保浦 賢三村瀬 允也石原 智嘉
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1995 年 24 巻 2 号 p. 479-482

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抄録

心筋電極の成人における使用の是非を考慮するため, 過去26年間に植え込まれた199本の心筋電極の耐用率および植え込み時の閾値を, 同時期に植え込まれた1640本の経静脈電極を対照として比較検討した。心筋電極は44本が寿命に達し, その耐用率は5年89%, 10年79%, 15年から最長26年まで68%であって, 平均耐用年数は20.2年であった。また経静脈電極は141本が寿命に達し, その耐用率は5年92%, 10年83%, 15年75%, 20年から最長22年にて72%であって, 平均耐用年数は18.4年であった。両群の耐用率を比較すると, 心筋電極のほうが有意に不良な耐用率を示した。また心筋電極6917型104本と経静脈電極4024型180本の植え込み時の0.5msにおける電圧閾値の平均はおのおの0.86V, 0.37Vであり, R波高の平均はおのおの7.10mV, 14.5mVであった。電圧閾値およびR波高ともに心筋電極において有意に不良であった。以上より可能な限り経静脈電極を使用するのが望ましいと思われた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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