抄録
セルロース系透析膜の内、再生セルロース膜、セルロースジアセテート(CDA)膜、セルローストリアセテート(CTA)膜と異なる3膜素材4種類の膜付着、吸着蛋白を共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡で観察した結果、付着の程度、局在性が明かに観察でき、各透析膜の付着は異なっていた。Alb., IgG, β2-MGの3項目の観察ではCDA (MELTRAX)膜で強い蛍光が観察され、同一膜素材であるCDA (FB-A)膜とは差異が認められた。C3aは蛍光部位の異なりは認めるものの、全膜で強い蛍光が観察された。また、サイトカイン(IL-1β,IL-6, TNF-α)では各膜の蛍光強度に大きな異なりが観察され、血液中の動態との関連性の解明にはさらに検討が必要であると考えられた。