人工臓器
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覚醒下静動脈バイパスにおける循環動態と液性因子の変動
―肺血流の段階的変化による定量的検討
武輪 能明巽 英介妙中 義之中谷 武嗣増澤 徹西村 隆中村 真人遠藤 誠子高野 久輝田中 操一
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1998 年 27 巻 3 号 p. 634-640

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抄録

静動脈バイパス(VAB)による心肺補助中に生じる肺動脈血流(PAF)の減少が循環動態に与える影響を解明するため, 成山羊6頭を用いたVABでPAFを段階的に変化させ, 血行動態の変動と肺で代謝される血管作動性物質の血中濃度変化について検討した. 平均大動脈圧(mAoP)と体血管抵抗(SVR)はPAFの減少に比例して有意に低下した. 血管拡張物質のprostaglandin E2(PGE2)とNOはPAFの減少に応じて増加し, prostacyclinはPAFが0%で著しく増加した. この中で, PGE2がSVRと最も強い相関を示した. 血管収縮物質では, renin-angiotensin系はPAFの減少に比例して増加し, mAoPと強い負の相関を示した. 一方, catecholamineとantidiuretic hormoneはPAFが0%でのみ著しく増加した. これら血管収縮物質の変化は血圧低下の二次的な反応と考えられた. 以上よりVAB中のPAF減少による血行動態の変動には肺で代謝される血管拡張物質が中心的役割を演じている可能性が示唆された.

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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