人工臓器
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新しいPTCA用多機能バルンカテーテルの開発
―プロトタイプデバイスの性能と薬物送達の検証―
伊藤 智範野口 輝夫野々木 宏松田 武久菅原 隆荒井 崇神田 克巳筒井 宣政
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1998 年 27 巻 3 号 p. 641-646

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抄録

狭窄部の拡張機能、拡張時の血液潅流と薬物の送達を同時に可能にする新しいPTCA用バルンカテーテルを開発し、in vitroおよびin vivoにおける性能を調べた。カテーテルはシングルバルンで、バルンの近位部に潅流孔を8か所、バルンの遠位部に薬液注入孔を1か所設けた。バルンの遠位部を延長して薬物滞留域と設定した。薬物滞留域の可変で、42-52cc/min. の遠位部流量が得られた。バルン低内圧では薬液は直ちに洗い流されたが、1cc/分の薬液持続注入により、薬液は薬物滞留域に滞留した。イヌ総頚動脈で血管遠位部血流量はコントロールに比較して、平均12.2±5.9%に保たれた。バルン擦過モデルに局所注入した色素は、バルン障害領域の83.2±6.5%に取り込まれていた。このカテーテルで送達した蛍光薬物は、血管内膜側から外側に向かって漸減していた。この新しいPTCA用多機能バルンカテーテルは、血管拡張機能、遠位部潅流機能、薬物の送達機能と滞留効果を有することが確認できた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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