人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
血液流動特性に着目したPMMA (BG) 膜の残血改善
牧尾 健司小澤 英俊中島 秀和三軒 久義
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 28 巻 2 号 p. 452-457

詳細
抄録

ポリメチルメタクリレート (PMMA) 膜は吸着能が強く, エリスロポエチンや低分子ヘパリンの登場によって, 残血しやすくなったとされてきたが, 臨床観察の結果, 当医院で起こっている帯状の残血は, 血液入口部のヘッダー内の偏流に起因する滞留部での血栓形成 (三日月状) によって, 中空糸が閉塞し, 外周部が残血するというメカニズムであることを確認した. そこで, 血液の偏流・滞留の解消及び膜の流動抵抗を小さくすることに着目し, 牛血でのin vitro評価と数値計算による流動解析を行い, 臨床で確認するため4水準のダイアライザーを試作した. 臨床の結果, 偏流・滞留の減少の程度に応じて, 残血は好転した. さらに, PMMA膜で残血傾向の強い患者に使用したところ, 従来の仮説を覆して, ヘパリン量を減少させても残血は全く起こらなかった. 以上のことから, PMMA膜に関しては血液の偏流・滞留, 流動抵抗が残血の大きな原因であることが判った.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top