人工臓器
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長期埋込み型デバイス材料の皮下埋植実験における組織適合性評価
杉山 知子田中 哲夫佐藤 秀樹江嵜 祐造野尻 知里
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1999 年 28 巻 2 号 p. 509-513

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抄録

ペースメーカーを初めとする体内埋込み型デバイスのケーシングとして実績のある純チタン (Ti) は, 生体適合性に優れた材料である. しかし, 人工心臓のように容積の大きなデバイスにおいてはさらに優れた生体適合性が必要である. そこで本研究では, より優れた組織適合性を賦与できると期待した不織布被覆チタンの12週間ラット皮下埋植実験による組織適合性評価を行った. コントロールとしてTi, ステンレス鋼 (316L), 高密度ポリエチレンを用いた. 線維性カプセルの厚さは, Ti; 239±52μm (n=10), 被覆チタン40±22μm (n=12) と有意に薄かった. また, 被覆チタンは不織布繊維の間に細胞の侵入を認め, 毛細血管形成も顕著であった. この結果から, 被覆チタンにおいてデバイス周辺組織との固定はTiに比べて良好であり, デバイスが周囲におよぼす機械的刺激を軽減する可能性を認めた. またデバイス表面での放熱作用などのメリットにもつながるものと期待された.

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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