Journal of Advanced Science
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超高速・超高密度2次元近接場記録ヘッド用超薄保護膜の研究
Kazuma KURIHARATakashi KATASEKen HAIJIMAKenya GOTO
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2003 年 15 巻 1-2 号 p. 53-56

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抄録

本稿では、バイアススパッタ法を用いて保護膜を形成し、酸化耐久性と光透過率の評価によりその有効性を報告した。基板温度を250℃に設定しバイアスを印加する事により、約90%の光透過率を得た。さらに式(1)から消衰係数kは0.033である事から5nm厚カーボン保護膜の光透過特性は99.75%を得る事が可能である。また表面粗さは基板バイアス100Wで成膜した場合には、10μm角39nmRMS値を得た。これは、通常の即スパッタで成膜した薄膜の表面粗さよりも1桁改善し、均一な膜の形成が可能である事が判明した。最後にディスク基板に25nm厚のTeを成膜し、バイアス100Wを印加してカーボン保護膜5nmを成膜したところ、通常のRFスパッタ法と比べ3倍の酸化耐久性を得られることが判明した。したがってバイアススパッタ法は、近接場記録ヘッド用保護膜形成法として有効的であると考えられる。

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