砥粒加工学会誌
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金型深彫り加工用小径ボールエンドミルの開発
-第3報:工具母材とコーティング薄膜が工具たわみ量に与える影響-
赤松 猛史北嶋 弘一松本 有司
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2007 年 51 巻 1 号 p. 52-57

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抄録
金型は,旋削加工,穴あけ加工,フライス加工などの切削加工の他に研削加工,研磨加工,放電加工などを加えた加工技術の集約によって加工されている.これまで,複雑な精密金型の加工,とくに金型の深彫り加工に対しては,エンドミルによる切削加工では必然的に発生する工具のたおれや切削時のびびり振動により加工が困難なために放電加工に頼るところが大きかった.しかし,放電加工は,加工能率の低さや加工変質層の生成などの問題点が指摘されており,近年ではエンドミルによる切削加工が一般化されてきている.本研究では,小径ボールエンドミルの金型の深彫り加工への適用における切削加工特性,すなわち小径ボールエンドミルの回転挙動,切削抵抗,実質切込み率および加工精度について体系的に追求,検討し,深彫り加工用小径ボールエンドミルの最適設計に対する指針を得ることを目的としている.本報では,工具寿命に及ぼす工具摩耗の影響を検討するとともに,工具母材の材質,およびコーティング薄膜の材質が工具たわみ量に及ぼす影響を実験的に検討し,工具設計の最適化への指針を得た.
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© 2007 社団法人 砥粒加工学会
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