砥粒加工学会誌
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摩擦加工を受けたS45Cの回転曲げ疲労特性の解明
鈴木 健太郎清水 利弘戸高 義一神志名 薫薬師寺 輝敏中村 裕紀中島 正貴
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2012 年 56 巻 2 号 p. 112-117

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抄録

摩擦加工は工具を材料表面に押当て,微細化した結晶粒をもつ加工層を表面に形成させる表面改質法の一種である.摩擦加工により形成された加工層は非常に硬く,表面には高い圧縮残留応力が生起するため疲労強度の向上が期待できる.本研究では,摩擦加工を施したS45Cの硬さ,微視組織,残留応力を調べるとともに,回転曲げ疲労試験を実施して,疲労特性に及ぼす摩擦加工の影響を実験的に調べた.比較材として,電解研磨を施したS45Cの試験片についても同様の疲労試験を行い,疲労強度の比較・検討を行った.さらに,摩擦加工を施した試験片に対して応力漸増試験を行い,摩擦加工のコーキシング効果に及ぼす影響についても検討を加えた.その結果,摩擦加工により表層部にはサブミクロンサイズ(ナノオーダ)の結晶粒径を有する加工層が形成していることがわかった.また,硬さおよび圧縮残留応力については摩擦加工を施すことにより表層部で著しく上昇していた.疲労試験の結果,摩擦加工材の疲労限度は790MPa,未処理材では630MPaとなり,160MPaの上昇が認められた.応力漸増試験については,応力増分の階差が25MPaおよび50MPaで行い,各条件ともコーキシング効果が認められたが,応力階差値が25MPaの方がコーキシング効果が顕著に現れた.

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© 2012 社団法人 砥粒加工学会
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