砥粒加工学会誌
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研磨パッド表面性状の定量評価手法の開発
―研磨レートに及ぼすパッド表面性状の影響―
畝田 道雄前田 有樹澁谷 和孝中村 由夫市川 大造石川 憲一
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2013 年 57 巻 6 号 p. 381-386

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抄録

ポリシングにおいて,その研磨レートは消耗副資材として用いられるパッドの表面性状(アスペリティ)に依存することが知られており,パッド表面性状を的確,かつ簡便に評価し得る手法の開発が求められている.著者らはダブプリズムを用いた接触画像解析法に基づく研磨パッド表面性状の定量評価手法を確立し,接触点数,接触率,接触点間隔,ならびに空間FFT解析結果の半値幅からなる4つの評価パラメータを提案するとともに,現在,実用にも供している.本論文では,軟質系発泡ウレタンパッドに対してコンディショニング条件の相違による研磨実験,ならびに連続バッチによる研磨実験を通じて,研磨レートに及ぼすパッド表面性状の影響について多面的に検討した.その結果,接触点数で約30/mm2,接触率で約0.8%,接触点間隔で約450μm,空間FFT解析結果の半値幅で約100μmとなるコンディショニングによって,より高い研磨レートが得られることを明らかにした.さらには,研磨レートに及ぼす4つの評価パラメータの重回帰分析を行うことを通じて,接触点間隔が最も効果的なパラメータであることを定量的に示した.

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© 2013 社団法人 砥粒加工学会
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