30 巻 (1936) 6 号 p. 805-819
ちふず免疫血清, 溶血素血清, ぢふてりー血清或ハ馬血清ヲ象兎ニ經口的投與或ハ浣腸法ニ因リ投與ノタルトキ此等種々ノ抗體ハ能ク吸収セラルルヤ否ヤ換言スレバ被働性免疫ヲ受クルコトヲ得ルヤ如何等ヲ探究シタルモノナリ
1) ちふす免疫血清ヲ幼若家兎ニ (10匹) 經口的ニ投與センニ (感作) 10匹ノ家兎全部ニ於テ凝集反應陽哲ナリ.即チ50×1匹, 100×陽性4匹, 200×陽性2匹, 400×陽性3匹ナリ.又ちふす免疫血清ヲ非感作ノ儘ニテ之レヲ幼若家兎ニ經口的ニ投與セノニ試驗動物全部ハ凝集反應陽性ナリ.即チ100×陽性3匹, 200×陽性1匹, 400×陽性1匹ノ域績テ得タリ.以上ノ成績ニ因リ觀察スレバちふす免疫血清ヲ幼若家兎ニ向テ經口的ニ投與スルトキハ感作ナルト非感作ナルトヲ不問全部吸収セラレテ凝集反應ハ陽性ニ傾キタリ.
ちふす免疫血清ヲ經口的投與ニ因ル幼若家兎免疫血清ノ凝集素ノ消長ニ就テ觀察スルニ次ノ如キ成績ヲ得タリ.今2, 3ニ就テ凝集素保存口數ヲ列擧スレバ下ノ如シ.第3表ノ (1) ハ200×ノ凝集價テ有ノ34日間凝集素ヲ證明ノ又第3表ノ (2) ハ400×ノ凝集價ヲ有ノ44日間保有ノ, 第3表ノ (3) ハ100×ノ凝集價ヲ有シ22日間凝集素存在セリ.即チ凝集價高キ血清ハ長時日凝集素ヲ證明スルコトヲ得タリ.
2) ちふす免疫血清ヲ幼若家兎ニ向テ浣腸ノタルニ (感作) 及 (非感作) 全部凝集反應陽性ノ成績ラ得クリ.即チ感作家兎ニ於テハ9匹ノ中200×陽性反應ラ呈スルモノ5匹, 400×稀澤液ニテ陽性反應ヲ現ハスモノ4匹アリタリ.又非感作家兎ニ於テハ5匹ノ中100×陽性ノモノ2匹, 200×陽性2匹, 400×陽性反應ヲ呈スルモノ1匹アリタリ.凝集素ノ消長ニ就テハ經口免疫血清ト大差ナノ.
3) 溶血素血清ノ經口的投與 (感作及非感作) 及ビ溶腸法ニ因ル (感作及非感作) 幼若家兎血清ニ就テ溶血反應ラ檢査セシニ全部ノ試驗家兎ニ於テ溶血反應陰性ナリ.即チ溶血素血病ハ吸収セラレザルコトヲ知レリ.
4) 馬血清ヲ家兎ル皮下ニ注射ノ其ノ免疫血清ニ就テ沈降反應ヲ檢査セノニ20×稀釋血清ニテ沈降反應陽性ノ成績ヲ得タリ.
5) 馬血清ラ幼若家兎ニ向テ經口的ニ投與セシニ感作及非感作ヲ不間ス全部沈降反應陰性ナリキ.
6) 馬血清テ幼若家兎ニ謄汁感作ノ下ニ浣腸セノニ供試家兎8匹全部沈降反應陽性ナリキ.即チ5×陽性ノモノ1匹, 10×陽性ノモノ5匹, 20×陽性ノモノ1匹アリタリ.又非感作家兎ニ於テハ5匹ノ中5×稀釋ニテ沈降反應陽性ノモノ1匹, 10×陽性2匹, 20×陽性反應ヲ呈スルモノ2匹アリ.即チ全部沈降反應陽性ナリ.
7) ちふてりーときしんヲ海〓ニ浣腸法ニ因リテ免疫ヲ施シタルニ供試動物ノ全部ハ免疫後短時日ニンテ斃死シ其ノ目的テ達スルコト能ハザリキ.蓋ン其ノ死因ハ腸管ノ壊死ニ陷リタルガ爲メナリ.
8) 抗毒素血清ヲ幼若家兎ニ向テ謄汁感作ノ下ニ經口的投與ヲ施ノ2週日後ニ致死量2×ノおふてりーときしんヲ家兎ル皮下ニ注射セシニ注射後2日乃至5日間生存シタリノカ1匹モ致死量2倍ノときしんニ耐過生存スルモノナカリキ.
9) 抗毒血清ヲ謄汁感作ノ下ニ幼若家兎ニ向テ注射ン2週日ヲ經過ノテときしん致死量2×ヲ皮下ニ注射ノタル結果ハ之レヲ經口免疫ニ比スレハ稍々長時間生存セノモ前者ト同樣該毒素ニ耐過生存センモノナカリキ.