日本細菌学雑誌
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PseudomonadsによるPhenol性化合物の分解について (I)
須永 隆新井 武利
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27 巻 (1972) 6 号 p. 809-815

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抄録

Protocatechuic acid (PA), protocatechualdehyde (PAl), catechol (Ct), gentisic acid (Ge), salicylic acid (SA), gallic acid (Gl), pyrogallol (Py), resorcinol (Re), phloroglucinol (Phl), phenol (Ph), o-cresol (Cr)を唯一の炭素源とする合成培地で,Pseudomonas属のphenol化合物の分解性を検討した。各化合物の適量を含む培地に菌を培養し,PA∼SAではこれに1%塩化第二鉄液1mlを加え,またGl∼Crでは培養液1mlに2%リンモリブデン酸液1∼2滴を加え,さらに10%アンモニア水を2∼4滴滴加してphenol性水酸基の呈色反応の消失を検することによつて分解性の有無を判定した。
37CでP. aeruginosaはPA, PAl, Ctを分解するが,P. fluorescens, P. chlororaphis, P. putrefaciensは非分解であつた。しかしP. fluorescens以下の菌種も25CではPA, PAl, Ctを分解した。使用したmono-, di-, tri-phenol中,GeのみがP. aeruginosaによつて特異的に分解され,P. fluorescensなどの他のpseudomonadsは37Cおよび25CでGe非分解であつた。またEscherichia coli, Klebsiella, Enterobacter, Hafnia, Serratia, Citrobacter, Proteus group, Aeromonas, Vibrio parahaemolyticus, Achromobacter liquidumなどのグラム陰性桿菌中,Klebsiella, Enterobacter BはPA, PAl, Ct, Geを分解するが,他の菌種は非分解であつた。
以上の成績からPA, Geの分解性を塩化第二鉄液で検することは,cytochrome oxidase陽性の菌種からのpseudomonadsの鑑別の一助となること,またGeの分解能はP. aeruginosaの同定の一手段になりうるものと考えられた。

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