34 巻 (1979) 6 号 p. 797-812
Brain Heart Infusion (BHI)とvitamin-free casamino acidsを主成分とするBanvilleの半合成培地を基礎培地とし,各種濃度のNaCl, NH4Clおよびsucroseを浸透圧安定剤として用いた場合の,Staphylococcus aureus 209P L-formの固形培地と液体培地での生存と発育を調べた結果,次の成績が得られた。
1. 固形培地上での発育は,BHIの場合,2.0-10.5% NaClおよび1.4-9.1% NH4Clで認められ,いずれも濃度とともに集落数は増加した。
半合成培地の場合には0.5-10.5% NaClおよび0.46-4.6% NH4Clで発育し,3.5-4.5% NaClおよび3.2% NH4Clで最多集落数を示した。
SucroseにおいてはBHIの場合は10-60%,半合成培地では5-60%で発育し,いずれも濃度30%で最多集落数を示した。
集落の大きさはBHI,半合成培地いずれの場合にも3.5% NaCl, 30% sucroseで最大値を示し,発育至適濃度ほど大型で,ニップル部分の少ない集落を形成した。
2. 液体培地中では,BHIの場合は2.0-15.0% NaClおよび0.91-18.2% NH4Clで発育し,いずれも28日以上の生存が認められた。
半合成培地の場合は1.0-15.0% NaClおよび0.46-9.6% NH4Clで発育したが,いずれも生存期間は短く,14日以上の生存が認められたのは1.0-2.5% NaClと0.46-3.2% NH4Clであつた。
Sucroseではいずれを基礎培地としても生存期間は短く,21日以上の生存が認められたのは10, 15, 20%の3濃度のみであつた。