日本細菌学雑誌
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SP-Sephadexクロマトグラフィーを用いたブドウ球菌エンテロトキシンDおよびEの簡易精製
小田 隆弘
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1980 年 35 巻 3 号 p. 559-567

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抄録

ブドウ球菌エンテロトキシンD, EをSP-Sephadex C-25クロマトグラフィーおよびSephacryl S-200ゲル〓過の2 stepのみの簡易な方法で精製した。
精製標品はいずれもpH 4.3でのディスク電気泳動で1本のバンドを示し,またゲル内沈降反応において,それらをウサギに免疫してえられた抗血清,粗毒素血清およびBergdoll博士分与のReference抗DまたはE血清すべてに対しそれぞれ1本の沈降線を形成し,それらの沈降線は完全に融合した。
えられた抗血清は粗毒素,精製毒素,Reference毒素いずれに対しても1本の融合した沈降線を形成した。抗エンテロトキシンD血清は,エンテロトキシンA, B, C2, D, EのうちDに対してのみ沈降線を形成したが,抗エンテロトキシンE血清はエンテロトキシンEおよびAに対して沈降線を形成し,それらはスパーを伴い,EとAの間には免疫学的交差反応が存在することが確認された。
エンテロトキシンD, Eはいずれも,精製過程におけるSP-Sephadex C-25クロマトグラフィーで複数のフラクションに分画され,精製標品はいずれもゲル等電点電気泳動により,等電点を異にする複数の成分から成つていることが見出された。

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