1982 年 37 巻 3 号 p. 601-606
Bacillus subtilis 60015の芽胞形成期細胞はCaを取込むことが判つた。Caの取込み能はDicyclohexylcarbodiimide (DCCD)により増強された。このDCCD効果は培養の静止期に出現し,培養9時間目ごろまで増加し,以後減弱した。0Cにおける芽胞形成期細胞のCaの取込みは,37Cの時の約50%であつた。栄養型細胞はCaを0Cで取込むが,37Cでは取込まなかつた。芽胞形成期細胞のCa取込みはCarbonylcyanide m-chlorophenylhydrazone (CCCP), KCNあるいはNaN3によつて阻害され,また,DCCD存在下においても,Ca取込みはCCCP, KCN, NaN3により約50%阻害された。これらの結果から,芽胞形成期細胞によるCa取込み機構について考察した。