1995 年 50 巻 4 号 p. 1033-1037
モノクローナル抗体(mNI-58)の単球系細胞株(U937細胞)に対する形態変化について検討し,以下の結果を得た。本抗体は細胞の分化調整剤であるPMAで刺激されたU937細胞に対して著明にマクロファージ様の形態変化(spread形成)を誘導した。このspread形成はサイトカラシンD,サイクロヘキシミドで完全に,また,LFA-1β(CD18)に対するmAbで部分的に阻害された。以上の結果はmNI-58が結合した細胞膜表面レセプーからのシグナルトランスダクションがPMA刺激U937細胞の細胞骨格の調整およびspread形成に密接に関与していることを示唆している。