日本細菌学雑誌
Online ISSN : 1882-4110
Print ISSN : 0021-4930
ISSN-L : 0021-4930
緑膿菌の Quorum-Sensing 機構
新しい感染症治療のターゲットとして
舘田 一博石井 良和山口 惠三
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 59 巻 4 号 p. 543-549

詳細
抄録

細菌の産生するホルモン様物質 (autoinducer) を介した情報伝達機構, すなわちクオラムセンシング (Quorumsensing) が微生物学・感染症学・化学療法学の分野で注目されている。これはビブリオ属細菌における菌数依存的な蛍光物質産生という現象から見つかってきたシステムであるが, その後, 緑膿菌をはじめとする多くの病原細菌が本機構を用いて病原因子発現をコントロールしていることが明らかとなっている。また最近では, この autoinducer 分子が生体細胞に対しても多彩な影響を及ぼしていることが報告され, 菌側と生体側の両面から感染症の発症に関与することがわかってきた。ここでは緑膿菌のクオラムセンシング機構に焦点を当て, その基本構造と特徴を概説するとともに, 本機構の感染病態形成における役割, クオラムセンシングをターゲットとした新しい感染症治療の可能性について述べてみたい。

著者関連情報
© 日本細菌学会
前の記事 次の記事
feedback
Top