日本細菌学雑誌
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敗血症の起因菌診断法の課題
松久 明生保科 定頼
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2004 年 59 巻 4 号 p. 551-563

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抄録

最近の敗血症の定義は, 従来の考え方とは異なり, 起因菌と生体との相互作用が引き金となった全身性炎症反応症候群 (SIRS) として捉え, 生体側の炎症病態に重点を置いたものとなっている。従って敗血症の細菌学的診断法の課題はその治療に迅速に寄与すべく, 細菌学, 感染症学は言うに及ばず, 炎症理論, 病態生理学, 組織細胞学と広範な領域にわたる視点をも含んでいなければならない。これらの領域を視野に収めながら, 宿主, とりわけ血液中での細菌の動態 (生菌・死菌に関わらず) と白血球との相互作用に照準を合せることが診断と治療を結び付けるきっかけになると考える。さらに生菌の供給源としての感染巣 (無い場合では侵入経路) だけでなく, 死菌としての細菌構成成分をも着目しなければならない。本編では特に敗血症と炎症性 mediator の関係に言及し, 敗血症診断と深く関わる細菌性迅速診断の位置付けを見直し, 今後の敗血症診断の方向付けのためのヒントを提供したい。

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