電子顯微鏡によるスピロヘータの研究

その二Leptospiraについて

抄録

Leptospira 5株を電子顯微鏡により観察した。Leptospira mochtariに終未糸を, Leptospira pomonaに透明帶を, Leptospira hebdomadis Cに内部顆粒と附着顆粒を認める場合があつたが, Noguchiの云う所の軸纖維やBorrelia duttoniiに認められた鞭毛構造, 細胞膜, Sheath-like, structure斑状構造及び透明部はみられなかつた。その他夫々の所見及び顆粒の発芽單位説はこ言及した。
御懇篤なる御指導と御校閲を賜わりし恩師木村廉教授に感謝の誠を捧ぐ。なおレプトスピラのスタムを分與し助言下されし大阪大学微生物病研究所藤野恒三郎教授及び同門下の各位に深く感謝の意を表したい。又本論文の電子顯微鏡写眞はすべて畏友尾崎良克学士の撮影によるものであり, 本実験に際し島津製作所研究部長島津新一博士及び研究部御一同は温き御同情をもつて同研究部のSM-1型電子顯微鏡の使用を許された。茲に厚く御礼を申し上げる。なお滯米中の東昇助教授より絶えざる激励と助言を頂いた。深く感謝の意を表す。