育種学研究
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原著論文
北部九州における大豆の青立ち耐性遺伝資源の探索と選抜法としての莢切除処理の検討
緒方 大輔奥野 竜平内川 修
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2021 年 23 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

青立ちしにくいダイズ品種を育成することを目的に,北部九州の主力品種「フクユタカ」よりも青立ち耐性の優れた遺伝資源を探索し,選抜法として,子実肥大期に莢を切除する手法を検討した.北部九州で栽培可能な26品種,および福岡県が育成した11系統の青立ち程度を2015年から2017年の3ヵ年調査した結果,「すずおとめ」が最も低くなった.そこで,「フクユタカ」,「サチユタカ」,「すずおとめ」および「ちくしB5号」を供試し,より青立ちの発生しやすい着莢始期から子実肥大始期の高温・干ばつ条件下で青立ち程度を調査した結果,「すずおとめ」は「フクユタカ」および「サチユタカ」よりも有意に低くなり,「すずおとめ」の青立ち耐性の強さが確認できた.また,上記4品種を用いて子実肥大期に50%の莢切除処理を実施したところ,無処理では認められなかった青立ち程度の品種間差が明確となり,「すずおとめ」は「フクユタカ」および「サチユタカ」よりも有意に低くなった.以上の結果から,北部九州において「すずおとめ」は青立ち耐性の優れた遺伝資源であり,選抜する手法としては子実肥大期の50%莢切除処理が有用な可能性が示唆された.

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