育種学雑誌
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ダイコンとクロガラシとの属間交雑と異質細胞質ダイコンの作出
松澤 康男皿嶋 正雄
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1986 年 36 巻 2 号 p. 122-130

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抄録

ダイコン(Raphanus sativus L.,n=9)×クロカラシ(Brassica nigra KOCH.,n=8)とその逆交雑で,それぞれ胚及び子房培養法によって得られた雑種植物とその後代の細胞学的,形態的な調査を行った.複半数性F1植物(2n=17)は,PMCのMIで(0~4)II十(9~17)Iの染色体対合型を示し,17I型のものが57%で最も多く,ついで1II+15I型が約20%であった.またMIIでは,8ないし9個の染色体をもつ核が多かった.これらの植物の花色はダイコンと同じ白色であったが,他の形態は両親種の中間であった.また花粉稔性は極めて低く,結莱も認められず,後代植物を得ることができなかった. クロガラシ×ダイコンで得られた1個体の複二倍体F1植物(2n=34)では,MIで17IIの形成がみられ(60%),またMIIで17個の染色体をもつ核が多かった(92%).この植物は,夜半数性のものに比べてより巨大型であり,花色はやや黄白色を呈し,花粉稔性は高かった.この雑種個体を母親としてダイコンおよびクロカラシの花粉を交配して戻し交雑をしたところ,それぞれBRR(2n=26)及びBBR(2n=25)のゲノム組成をもつ2基三倍体が得られた.これらの植物は,多くのPMCのMIでそれぞれ9II+8I及び8II十9Iの対合型を示し,またMIでは12,13あるいは14個の染色体をもつ核が多く観察された.それらの植物は,雑種F1植物と同様に,多価染色体を形成することがたく,したがってこれら雑種植物の染色体対合は同親接合によるものと考えられた.

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