46 巻 (1996) 3 号 p. 261-268
アルファルファ菌核病抵抗性検定に適した育苗環境を明らかにするとともに,抵抗性発現の機作について病理解剖学的な所見を得た.抵抗性選抜3~6世代系統と既存のアルファルファ品種を供試し,抵抗性発現の系統間差異が認められるエイジと環境条件について検討した.低温・短目条件で育苗した2,4,6週苗に接種した場合には,アルファルファの生存個体率はいずれの品種系統でもごく低く,品種系統間差異は認められなかった。10週苗では抵抗性選抜系統は既存品種に比べ明らかに高い生存個体率を示した.愛知菌株による生存個体率は栃木菌株に比べやや高く,8週,1O週苗ともに系統間差異が認められた.育苗条件についてみると,16℃・9時間日長で最も生存個体率が高くなり,品種系統間差異が明瞭にあらわれ,逆に高温(23℃),長目(16時間目長)条件では生存個体率は低くなった.一方,低温(6℃)では長目条件で生存個体率が高くなった.菌核痛抵抗性の高い個体では,茎から根部への病斑の拡大が少なく,クラウン部に健全な幼芽が残った。光学顕微鏡と走査電子顕微鏡による観察から,菌核病菌はクチクラから侵入し,罹病性個体では維管東,厚膜細胞組織,柔組織などほとんどの細胞内を伸展し,菌糸がまん延していた.選抜系統の抵抗性個体では表皮細胞内で侵入菌糸の生育阻害反応が起きていることが示唆された.