日本生物学的精神医学会誌
Online ISSN : 2186-6465
Print ISSN : 2186-6619
経頭蓋磁気刺激の原理とそのうつ病治療への応用
行正 徹
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ジャーナル オープンアクセス

2011 年 22 巻 3 号 p. 191-198

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抄録

経頭蓋磁気刺激(transcranial magnetic stimulation,TMS)は非侵襲的に大脳皮質を刺激できる。単回刺激(single pulse TMS)と連続刺激(repetitive TMS,rTMS)の 2種類に大別される。 TMSの抗うつ作用に関しては多くの研究がなされ,うつ病を中心に精神疾患の治療へも適用されてきている。本稿では,磁気刺激の物理学的原理とその生体へ及ぼす影響及び副作用,また,TMS の施行の実際などに焦点をあてて述べる。TMSの作用機序についても複雑ではあるが,電磁気学的な観点から多少触れる。その上でTMSのうつ病治療への応用に関しても自験例を述べることとする。 TMSは基本的に安全な治療法であり,今後うつ病などの精神疾患の治療へとその応用が普及・発展していくことが望まれる。

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© 2011 日本生物学的精神医学会
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