日本生物学的精神医学会誌
Online ISSN : 2186-6465
Print ISSN : 2186-6619
神経発達障害統合失調症様モデル動物におけるキヌレニン代謝の関与
毛利 彰宏新島 萌國澤 和生齋藤 邦明鍋島 俊隆
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2021 年 32 巻 3 号 p. 129-134

詳細
抄録

統合失調症は幻覚や妄想,意欲の低下,認知障害などを主訴とする精神疾患である。多くの患者では抗精神病薬に対する治療抵抗性を有することから新しい作用機序をもつ予防・治療薬の開発が急務となっている。統合失調症の発症・病態仮説には,炎症による神経発達障害仮説やグルタミン酸仮説などが提唱されている。キヌレニン代謝経路は炎症により活性化され,その代謝産物には神経毒性,およびグルタミン酸神経機能に影響を与えるものがある。本稿では,母親が妊娠期にインフルエンザに感染すると胎児に統合失調症に対する発症脆弱性が形成されるという疫学仮説に基づき,作成したウイルスRNA様の作用を示す合成二本鎖RNAポリイノシン‐ポリシチジン(poly I:C)を胎生期に曝露させた統合失調症様モデル動物についての概説とこのモデル動物におけるキヌレニン代謝経路の関与について紹介する。

著者関連情報
© 2021 日本生物学的精神医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top