臨床化学シンポジウム
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A-8. 肝臓におけるホルモン破壊の自動調節機構
生化学的機序及びその生理的・病的意義
植手 鉄男
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1972 年 11 巻 p. 41-47

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抄録
生体内のホルモン濃度はホルモンの生成と破壊のバランスの下に一定に保たれている。ホルモン破壊は, 多くがその作用を発揮する末梢組織で破壊されるというよりは, 量的関係においてその大部分が例外なく肝臓で破壊される. 肝臓はなぜこのようにホルモンを破壊するのか?肝臓におけるホルモン破壊はホルモン濃度の調節機構である. この点に関して我々は副腎皮質ホルモンの肝臓内代謝の自動調節機構説を提唱し, 更にinsulinについても同様の自動調節系のあることを述べた1-6). 即ち, 血中のホルモン濃度が上昇すればより多くのホルモンが肝臓で破壊され, 血中のホルモンの濃度が低下すればより少ないホルモンが肝臓で破壊される.
本研究はこの肝臓におけるホルモン破壊の自動調節機構の機序を, 副腎皮質ホルモン, insulinにおいて更に追究した.
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© 日本臨床化学会
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