AI・データサイエンス論文集
Online ISSN : 2435-9262
日本の降水量の次元圧縮を対象とした特異値分解と非負値行列因子展開の比較
関 令法塩尻 大也小槻 峻司
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ジャーナル オープンアクセス

2023 年 4 巻 3 号 p. 772-778

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抄録

地球科学分野では,特異値分解(SVD)などの線形固有直交分解に基づく次元削減手法の応用が進んできた.一方,行列の分解によるその他の次元削減手法である非負値行列因子展開(NMF)は,地球科学分野での利用が未だ限定的な部分に留まる.本研究では,気象庁の解析雨量をSVDおよびNMFによって分解・次元削減し,それぞれより抽出される特徴量を比較する.各手法で次元削減された行列をもとに,AMeDASの観測位置情報から最小二乗法により降水場の復元を行い,両手法の復元精度を評価した.その結果,NMFの方がSVDに比べてよりロバストに降水場を復元可能であることを示した.また,分解された行列から空間・時間の特徴量を可視化した結果,NMFの方がSVDよりも物理的背景をより解釈可能な様に反映していることが示された.

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© 2023 公益社団法人 土木学会
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